未だ未解決のアンティオコスの彫刻像の謎

アンティオコス王の彫刻像

 

 

1965年のネムルト山の発掘や地域住民の生活を記録した映像フィルムがドイツのフリーマーケットで偶然発見されたが、このことにより大きなスキャンダルが明るみに出た。現在ではガジアンテップのゼウグマ博物館にあるコマゲネ王、もしくはアンティオコス王の彫刻された頭像はかつてドイツ人が密輸しようとして没収されたものだ。

 

 

 この記録映像フィルムはドイツの旅行者であるロタール・カルロビッツ博士により撮影されたもので、アディヤマン東方地域にある古代都市アルセミアでの発掘の様子とネムルート遺跡が撮影されている。フィルムにはアンティオコスの彫像が地下から初めて発見された模様が映っており、彫像は綺麗にクリーニングされ布を巻かれている。

 

 このフィルムが公開された後、考古学美術雑誌の編集者ネズィ・バシュゲレン氏はかつて著書の中で彫像を取り扱ったと語った。映像の中でトルコ航空の旅客機の翼が映っているが、この旅客機は1946年11月18日から1966年まで就役しており、このことにより1966年以前に何回かに分けて撮影されたことがわかる。

 

 

 1953年ドイツ人教授カール・ドルナー氏が最初に彫像が発見されたアルセミアに行き、映像には彼の発掘の模様が映っており、この映像が1953年から1966年の間に撮影されたことは明らかだ。ドルナー氏は1986年までアルセミアにおり、1987年に発掘についての著作を発行した。しかし、著書の中では彫像については触れられていない。

 

 

博物館の彫像のリスト紛失

 

 我々は情報をもとに、ガジアンテップのゼウグマ博物館で彫像の足取りをたどった。
博物館関係者はどのように彫像が博物館にもたらされたかわからないと話し、最初1995年に博物館の保管物目録に登録されたという。博物館の記録では彫像に関する書類は紛失しており、見つからないという。

 

 

 前館長によると、彫像は1980年代にドイツ国籍の人物により密輸されようとしたところガジアンテップ空港で没収され、警察により博物館に運ばれたという。しかし、このドイツ国籍の人物のことは記録が失われているため誰も知らず、裁判記録も不明ということだ。

 

 

今現在多くの疑問が残っている。

・何年にもわたり誰がこの彫像を保管していたのか?

・ガジアンテップ空港のドイツ人は誰なのか?

・彼は発掘に関与したした人物だったのか?

・彫像が見つかったことと、ドルナー博士がトルコを去ったのは偶然の一致なのか?

・ドルナー博士が著書の中でこのような重大な作品について触れなかったのは普通のことなのか?

・博物館の保管記録書類を消したのは誰なのか?

・カルロビッツ氏と映像を記録した人物と彫像を没収された人物には何かつながりがあるのか?